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2011年03月


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3月21日、彼岸の中日に毎年恒例の春季彼岸法会を厳修致しました。

法要の直前、檀信徒の皆様に、ご先祖様はもちろんのこと、11日の震災でお亡くなりになった方々への供養の気持ちも胸にお参りして下さいと申し上げると、ご参詣の皆様も私と同じお気持ちのようでした。

震災の方への義援金の足しにでもと思い、急きょ募金箱を設置したところ、ご協力いただいた方も多かったです。

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心配された雨もどうにか持ちこたえてくれて、本堂正面の幕も掛けることが出来ました。

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幕にあります扇の紋は、一乗院の寺門で、1680年、島原城主松平忠房公より賜ったと伝えられております。島原の松平家の家門は重ね扇で、その扇の一枚を取って一乗院の一の文字を入れて寺門とせよとのことだったと聞いております。

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おかげさまで、当番地区の坂上奥の皆様のお力添えを得て、無事にお接待も出来ました。春のお彼岸には、けんちん汁を作っていただいております。

今回の布教師さんは、福岡県篠栗町、遍照院ご住職 西宏円僧正さまでした。西僧正は高野山真言宗本山布教師であられます。

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分かりやすく親しみのあるお話で、ご参詣の皆様のお気持ちも温かくなられたことと思います。

東北や関東地方では、今も被災者の方々が懸命に生き抜いておられることと思います。また、震災で亡くなった方の多くは恐らく葬儀もままならないのではと思います。

何もなければ、被災地に出向いてお経の一つでもお唱えしてあげたい気持ちで一杯ですが、自坊の檀務を放棄するわけにもいかず、思いを巡らし、日本の西の果ての長崎から当山檀信徒の皆様と共に祈りを捧げ、お亡くなりになった方々のご冥福を悼み、被災者の皆様の復興をご祈念致しました。

4月には、有志の皆様とともに、震災でお亡くなりになった方のご供養を執り行い、その僅かばかりのお布施のすべてを義援金にして発送したいと思います。

被災者の皆様、本当に大変とは存じますが、日本中に被災者を思う気持ちを持った方がたくさんおられると思います。どうか希望を捨てずに日々を乗り切って下さい。

3月11日、テレビを見て愕然としました。ヘリからの映像では、大津波がすべてのものを飲み込んでしまう光景が映し出されておりました。立派な家、綺麗に整備された港、畑、ハウス、船、車。自然の猛威の前には我々人間の力など本当に微々たるものだということを、改めて思い知らされました。

つい先日、哲学者の梅原猛先生と、脳科学者の茂木健一郎先生のお話を聞く機会がありましたが、その際、梅原先生が「人間中心の哲学では今後の人類は生きていけない。人間中心の哲学を否定し、草木国土悉皆成仏(草木に至まですべてのものは仏様になることができる)の思想を文明の根底におかなければならない。草木国土悉皆成仏という文明の原理を科学技術とどのように調和させるか。そこに大変難しい問題がある。空海の哲学は現代においても生きている哲学なのである。」と言われたことを思いだしております。

今回の震災で、現状を把握する間もなく津波に呑み込まれた方、またかろうじて命だけは取り留めたものの、すべてを失い現在も自然の猛威の中で懸命に生活されている方、報道機関を通じて我々に入ってくる情報は、同じ日本とは思えないほど悲惨なものばかりです。我々は衣食住の整った生活ができている事に対して感謝の念など持つことはほとんどありませんが、これはものすごく幸福な事だと言うことを知らなければなりません。

私は、一人の真言宗僧侶でしかありませんので、今回の震災に対して私に出来ることは、少しの募金と恐らくは葬儀もなされていない方も多いかと思いますので、その方達の供養をすることぐらいです。

そこで、来る4月4日(月曜日)一乗院本堂に於きまして、東北・関東大震災物故者慰霊法要を執り行い、そこで戴いたお布施の全額を被災地へ義援金として送金したいと考えております。実は、4月4日は御詠歌隊の皆様と日帰り旅行を考えておりました。しかしながら、御詠歌の皆様とも相談したところ、快くこちらの趣旨に賛同して下さいましたので、空けておいたその日を法要の日程に当てることとなりました。
具体的には、

・4月4日、正午より当山住職による講演
・講演の後、おにぎりのお接待。
午後1時より東北・関東大震災の物故者の供養を読経・御詠歌で執り行います。(参加者で、当山檀信徒の方は、仏前勤行次第をお持ち下さい。お持ちでない方にはお貸し致します。)
この法要に関する一切の費用は一乗院が負担します。
・この趣旨に賛同して下さる方には、檀信徒の方はもちろんそれ以外の方にも法要に参加していただき、ボランティア(法要参加者におにぎり等を作ってお接待が出来ればいいのですが・・・)も受け付けます。
法要にお布施をしていただき、当日、総代会長、副会長にて開封、翌日その全額を被災地への義援金として送金します


以上、突然ではございますが、今、お寺として、僧侶として今できることを考え、実行に移していこうと考えます。この度の震災で亡くなった方への思い、被災者の方々に対して何かしてあげたいという思い、様々な思いがあるかと思います。何かしようと思いつつも、その方法を模索しておられる方もおられるかと思います。

脳科学者の茂木健一郎先生は、ベスト・エフォート方式が脳のためには効果的だと仰いました。つまり、一生勝負事で勝ち続けることは出来ない。何かのために、一生懸命努力する。そして得られた結果を受け止め、その結果に対して執着しない。気持ちを切り替えまた努力することが脳を健康に保つ上では重要なことだと仰いました。

被災者の皆様は、きっとベスト・エフォート方式で、ご自分の於かれた状況下で、復興に向け出来うる限りの努力をされていることと思います。
私達も、同じ日本人として、何かのお役に立てれば幸いに存じます。
よろしければ、4月4日、一乗院まで足を運んでいただき、私達と共に手を合わせ、その思いと義援金を被災地へ届けようではありませんか。
多数の皆様のご来院をお待ち致しております。

去る2月26日、東京のサントリーホールにて声明公演-大曼荼羅供-が開催され、それに出仕するため東京まで出かけて来ました。

なんと言ってもサントリーホールですから、おのずとモチベーションも上がります。

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簡単にホールのことを説明致しますと、「世界一美しい響き」を基本コンセプトに掲げて設計されたそうで、良い音をすべての席で楽しんでもらうために、客席が、ブドウ畑の形式になっていたり、天井や反射板等にも様々な工夫がなされているとのことでした。

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上の写真がホールのシンボルのパイプオルガンです。大きさも世界最大級とのことでしたが、一度音を聞いてみたかったですねえ。

講演は、NPO法人サンガ主催で行われ、九州から参加の私たちは、助っ人として法要に参加させていただきました。法要に職衆(ホール上でお経や声明をお唱えする僧侶)として参加しておりましたので、法要の写真がありませんが、約40名による荘厳な公演となりました。

久しぶりに懐かしい友人とも再会でき、有意義な遠征となりました。

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この良い経験を糧に、日々精進を続けていきたいと思います。

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