3月21日、彼岸の中日に毎年恒例の春季彼岸法会を厳修致しました。
法要の直前、檀信徒の皆様に、ご先祖様はもちろんのこと、11日の震災でお亡くなりになった方々への供養の気持ちも胸にお参りして下さいと申し上げると、ご参詣の皆様も私と同じお気持ちのようでした。
震災の方への義援金の足しにでもと思い、急きょ募金箱を設置したところ、ご協力いただいた方も多かったです。
心配された雨もどうにか持ちこたえてくれて、本堂正面の幕も掛けることが出来ました。
幕にあります扇の紋は、一乗院の寺門で、1680年、島原城主松平忠房公より賜ったと伝えられております。島原の松平家の家門は重ね扇で、その扇の一枚を取って一乗院の一の文字を入れて寺門とせよとのことだったと聞いております。
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おかげさまで、当番地区の坂上奥の皆様のお力添えを得て、無事にお接待も出来ました。春のお彼岸には、けんちん汁を作っていただいております。
今回の布教師さんは、福岡県篠栗町、遍照院ご住職 西宏円僧正さまでした。西僧正は高野山真言宗本山布教師であられます。
分かりやすく親しみのあるお話で、ご参詣の皆様のお気持ちも温かくなられたことと思います。
東北や関東地方では、今も被災者の方々が懸命に生き抜いておられることと思います。また、震災で亡くなった方の多くは恐らく葬儀もままならないのではと思います。
何もなければ、被災地に出向いてお経の一つでもお唱えしてあげたい気持ちで一杯ですが、自坊の檀務を放棄するわけにもいかず、思いを巡らし、日本の西の果ての長崎から当山檀信徒の皆様と共に祈りを捧げ、お亡くなりになった方々のご冥福を悼み、被災者の皆様の復興をご祈念致しました。
4月には、有志の皆様とともに、震災でお亡くなりになった方のご供養を執り行い、その僅かばかりのお布施のすべてを義援金にして発送したいと思います。
被災者の皆様、本当に大変とは存じますが、日本中に被災者を思う気持ちを持った方がたくさんおられると思います。どうか希望を捨てずに日々を乗り切って下さい。