ichijyoin0805のblog

2017年10月

南串山町水ノ浦にあります一乘院境内の一番北側に聖天堂が建っております。
一乘院の参道は古くは階段で、現在の門柱の場所に山門があったことを覚えておられる方も多いと思いますが、昔は現在の直角カーブの所に中門もあったそうです。
中門を抜けると階段が左右に分かれ、南側の大きな参道が本堂に、北側の細い参道が聖天堂に続いておりました。
聖天堂の参道は楠の根や地震の影響も受けましたが、修復を重ねて今も当時の面影を残しております。

明治時代に編纂された寺院明細帳にも左右に分かれた参道の絵が残っており、それによると聖天堂は1760年に建立されたとのことです。今年は西暦2017年ですから、実に257年前のことになります。もちろん屋根や外壁等は度重なる台風等の自然災害で被害を受け修復されたものですが、柱や彫刻等は257年前のものがそのまま残っております。

イメージ 3


しかしながら、近年は白アリの被害にあったり柱の下部が朽ち果てて、コンクリートで補修したりとその老朽化に対する補修を余儀なくされております。

そもそも聖天様は、大聖歓喜天や大聖歓喜大自在天とも言われ、インドのヒンドゥー教の神が仏教の守護神として祀られるようになった天部の仏の一体です。聖天以外の天部の仏は毘沙門天、弁才天、大黒天、梵天、帝釈天等多数ございます。特に聖天は厨子に入れて秘仏として祀られ、一般に公開することはありませんが、特別に霊験あらたかな仏として知られ、夫婦和合、子授けといった功徳が有名で、一心にお願いすれば何でも叶えて下さる仏さまです。

毎年1月8日から14日まで京都の東寺にて厳修される高野山や仁和寺、東寺、大覚寺等の真言宗十八本山の管長猊下の代表15名が一堂に会して鎮護国家を祈念する真言宗最高の厳儀である後七日御修法に於いても、管長猊下の中から聖天担当の管長猊下が選ばれ、毎日三座の合計21座の聖天法をお勤めになります。お大師様が始められ現在まで続いている、日本の国が一年間無事でありますようにと修法する法会で聖天様が拝まれている事実。これから考えても聖天様がいかに重要視されてきたかが分かると思います。

一乘院に於いても、明治2年に神佛分離令による廃仏毀釈で温泉(当時の雲仙)にあった一乘院が破壊され、現在の南串山水ノ浦に本坊を移転した歴史がありますが、一乘院本坊が移転する前まで当地は歓喜庵と呼ばれていました。つまり当地は聖天様を中心とした寺院だったのです。その証拠に聖天堂は、本堂や庫裡より一段高い敷地に建っております。

一乘院本坊となった歓喜庵は、いつしか聖天様をお祀りする事よりも、檀家さんを中心とした寺院経営に移行し、聖天様を拝む住職はいなくなりました。

聖天様とは私はご縁があって、佛教大学大学院在学時にお世話になっていた泉涌寺塔頭雲龍院ご住職、市橋真明僧正が後七日御修法の聖天担当になられた際、承仕(拝むお手伝いをする僧侶)を拝命し、鎮護国家の秘法のお手伝いをさせていただきました。1月8日から14日まで一日三座、恐れ多くも決して見ることの出来ない東寺の聖天様を拝見させていただきながら、市橋僧正の修法のお手伝いをさせていただく貴重なご縁をいただきました。

そんなわけで聖天様の修法を知ってしまった私は誰も修法することのなくなった一乘院の聖天様の事を考えますと、これは一乘院の聖天様が私に拝んで欲しいから、私を御修法の聖天承仕に送り込んでくれたのではないかと考えるようになりました。

それからは、最低限の仏具を揃え、毎月二座、聖天堂にて華水供の修法を重ね、長年の風雪により傷みが激しい聖天堂修復が出来ないものかと祈念しておりました。

そんな中、平成二十年、長崎市天神町在住の篤信徒様より住居並びにそれに伴う土地を一乘院に寄付していただきました。これは、篤信徒様が施設に入所されるにあたり、長年住居とされた家屋をお寺に提供して下さったわけです。

一乘院と致しましても大変有り難いお話しですので、役員会・総代会にて承認を受け、お寺の財産として活用させていただく運びとなりました。差し当たっては多少の補修の加えて賃貸住宅として家賃収入を得ておりました。

そして昨年、長崎新幹線のトンネルにかかるということで、ご寄付いただいた家屋を国が買い上げることになりました。

聖天堂は本堂・位牌堂や庫裡と違い、直接檀家さんのご先祖様に関係するお堂ではありません。ですから私は聖天堂再建の費用は全檀家さんからご寄付をいただく類いでは無いと考えておりました。

しかし、それが篤信徒様の家屋売却で得られた資金であれば、篤信徒様のご了承をいただければ、聖天堂再建費用に活用出来るのではと思い、聖天堂を再建したい旨をご相談申し上げると大変お喜びになり快諾を得ました。

そして昨日、平成29年10月15日、水ノ浦自治会による聖天堂のしめ縄の奉納がありました。

天気予報は大雨…横殴りの雨との予報ですが、不思議と聖天様にしめ縄を奉納する時間だけは、雨が止みます。


イメージ 1


今年も無事に新しいしめ縄が奉納されました。この聖天堂に奉納される最後のしめ縄です。水ノ浦自治会の皆様、今年も有難うございました。

篤信徒様のご厚意により霊験あらたかな聖天様の聖天堂は来年平成30年、258年ぶりに再建されます。聖天様は一乘院檀信徒の皆様、並びにお参り下さった方々のために働いて下さることと存じますので、当山参拝の折には聖天堂にも足を運んでいただきまして、お参り下さいますようお願い申し上げます。

聖天様は大根・お酒・甘いものをお供えするのが良いです。
聖天様をお参りする時の注意点ですが、聖天様は人間に寄り添い我々の願いを叶えて下さいますが、約束を破ると確実に罰が当たるとも言われております。

ですから聖天様をお参りされる際には「来月一日にまた来ます」とか、破る可能性のある約束はしないでお参り下さい。一心に清らかな気持ちでお参りすることが出来ましたら、きっと願いが叶います。私の聖天堂再建という願いが叶ったように。

篤信徒様、本当に有難うございました。御先祖様の菩提は一乘院が続く限りご供養させていただきます。     合掌

イメージ 2

ご無沙汰致しております。
お施餓鬼の法要からブログの更新が滞っておりましたが、お盆もお彼岸もお寺の行事は通常通り執り行われておりました。

お盆は昨年末に心筋梗塞を患った私の事を心配してか、通常は私と名誉住職の父と福岡地蔵院住職の浦僧正の三人でお参りする所を、嫁と長男、二男が手伝ってくれました。長男、二男はまだ一人で行くのではなく私や父や嫁に付いてお参りするわけですが、二人で行くと心強いし檀家さんも温かく迎え入れて下さいます。

イメージ 1


この経験が将来の一乘院護持のためになると信じております。

そんなこんなでお盆を乗り切り、秋季お彼岸を迎えました。お彼岸の布教師さんは大分県日田市の明王寺、吉水亮善僧正でした。高野山の本山布教師であられる吉水僧正は、九州詠歌青年会のメンバーでもあり気の知れた仲間です。

イメージ 2


今回は二回目の一乘院での法話でしたが、相変わらず解りやすいお話しで好評でした。

法要には初めて三兄弟そろい踏みでの出仕となり、ご参詣の檀家さんは悦んで下さいました。三男坊もチヤホヤされて得意顔でした。

イメージ 3


御詠歌隊の皆さまには日頃の練習の成果を発揮して、法悦歓喜和讚、父母感恩和讚、不二の三曲を奉詠していただきました。やっぱり御詠歌の流れる法要は良いモノです。

井上克幸さんには早々に写真をいただいておりましたのに、なかなかブログの更新が成されず申し訳ございませんでした。
今後とも、一乘院専属カメラマンよろしくお願い致します。合掌

このページのトップヘ